節税対策の不動産賃貸業の法人化。これって本当にメリットある?
不動産賃貸業は、法人設立で節税になる?
基本的に、不動産賃貸業は法人化することで節税になります。
不動産賃貸業を法人化することでの節税メリットは、主に役員報酬の設定です。
個人事業としての不動産賃貸業の時の利益(所得)が、法人化して役員報酬とすることで、『給与所得控除』という所得控除が使えるようになるため、所得控除をもう一段階増やすことができます。
この所得控除が増えることで、税率が下がることもあり、大きな節税となる可能性があります。
また、個人事業としての不動産賃貸業には使いにくかった専従者給与などの家族内での所得分散も、役員報酬となることで分散しやすくなるメリットもあります。
他にも、法人化することでのメリットはいろいろあります。
◎倒産防止共済や小規模企業共済への加入。
◎定期保険の生命保険料などを損金算入できる。
◎個人の時には必要経費にならなかった不動産賃貸業に直接的な関係がない経費でも、事業運営のための経費であれば損金算入できる。
◎社会保険に加入することで、将来の年金対策や国民健康保険料の軽減ができることもある。
法人化することでのデメリット。
不動産賃貸業を法人化しても、不動産の所有が個人のままの時があります。
不動産を法人名義に移すとなると、法人が個人から不動産を購入する必要があり、その際に登記や不動産取得税の支払いがでてくるため、個人名義のままになっていることもあります。
その場合には、節税のメリットがそれほど得られないことも多く、不動産賃貸業の法人化をためらう理由の一つになっています。
また、法人化することで税理士などに支払う会計費のコストが増加することもあります。
さらに、法人を設立しても、不動産の所有者が個人のままであった場合には、これまで通り個人の確定申告を行いながら、設立した会社の税務申告も行う必要があります。
当然、費用の面だけでなく、運営にかかる手間も増えます。
コストや手間の負担の増加は、法人化するにあたっての大きなデメリットです。
節税対策としての効果と、それに見合ったコスト負担と手間なのかどうかよく考えながら法人化を検討することが大切です。
また、ただ一言で法人化といっても、実際には、もっとも有利な形で運営していくためには、税金面だけでなく、他にもさまざまなことを検討していく必要があります。
例えば、賃貸事業の運営方法、相続などの事業承継、不動産の管理、などいろんな検討すべき課題があります。
不動産賃貸業の法人化を考えるときには、税理士や建物や賃貸管理をしている不動産会社、司法書士など、さまざまな専門家と意見交換をすることがおすすめです。
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